会 長 挨 拶

会長 鈴木 正敏
 「超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会」、Photonic Internet Forum(PIF)は2001年2月に発足し、本年(2023年)で22年の歴史を持つ協議会です。2023年7月に佐藤前会長の後を引き継ぎ、会長を引き受けさせて頂きました。会員の皆様にご挨拶申し上げます。
 光ファイバ通信技術は、光ファイバ、半導体レーザ、光ファイバ増幅器などの技術革新により急速に進展し、直近約40年間で光通信システムの容量は約106倍に拡大されました。特に、2000年代から2010年代は、インターネットとスマートフォーンが急速に普及し、急増する大容量トラヒックを伝送する大容量伝送技術に加えて、トラヒックの交換を波長単位で行うフォトニックネットワーク技術が進展し、ICTの利活用や社会のディジタル化の促進に貢献してきました。これらの先導研究や実用化に向けた研究開発において本協議会は大きな役割を果たして来たと考えています。
 現在私達は地球温暖化というグローバルな喫緊の課題に直面していますが、フォトニックネットワークでは、光直接増幅器やROADM等による光伝送路や交換ノードの全光化により消費電力の大幅な削減が実現され、グローバルな要求に応えてきました。今後、Beyond 5G/6G時代には、更に急増するモバイルトラヒックを収容するフォトニックネットワークの持続的大容量化とカーボンニュートラルの実現を両立可能な研究開発を推進することが重要であり、本協議会の社会的な使命でもあると考えます。
  「超高速フォトニックネットワーク開発推進協議会」は、フォトニックネットワーク技術の研究開発に関して、民間企業や大学・研究機関、有識者、国等の関係者が幅広く集い、将来の研究開発の方向性や方策の検討、国内外の技術開発動向の調査研究、協議会のメンバー間の情報交流、広く一般への普及啓発、標準化への貢献等の活動を行い、我が国及び世界の情報通信技術の発展に寄与しようとするものであります。次の世代に向けた我が国の研究開発力の維持・強化に向けて、皆様の積極的なご支援をお願い致します。